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上野動物園のパンダのリンリンくんが、体調不良のため治療に専念するそうです。
ゴールデンウィークに上野動物園に遊びにいこうとしていただけに、ちょっと残念です。
けれどもはやく元気になってほしい!
長生きしてね、リンリンくん(´;ω;`)ゆっくり休んで、できたらまた元気な姿を見せてね

つづきでテュールとかヴァリアー元副隊長とかそんな感じの話の冒頭部分を書いています。
元副隊長、今ここでは名前を伏せてみてますが、もうそろそろ解禁してもいいころですよね?
というわけで、これ以降の記事で登場させる時にはバーンと本名で書きます!


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「それにしても、貴方が直接に手をくだすとはめずらしい。いったいどういうおつもりですか。私には得策だと思えない、貴方が、このような場所に出てくること自体が――」
 声は小さく震えていた。
 剣の帝王とうたわれるかの男を目の前にして、そのようにならずにおれるものは少ない。むしろ、声が震えるくらいであればまだましな方だ。声の主である男は俯かせていた顔をあげ、汗でずれた眼鏡を指で持ちあげた。
 どこともつかない闇の奥に、彼らはいた。
 そこは常人には決して到達しえない、深い暗黒のくぼみだった。上からはかすかな月の光がこぼれ落ちてくるばかりで、ほかに明かりはない。冷えびえとして寒く、白い息がふたつみっつ立ちのぼっている。
「なに、すこしばかり見本を見せてやろうと思って」
 剣帝とうたわれる男はそう言って、意味深な笑みをうかべた。
「大人ぶっていても、あの子はまだ子どもだからな。ちょうどいい機会だ。ここでオレ達の仕事を分からせておくというのも悪くはないだろう」
 金髪の、背高の男だった。肌は日に焼けて褐色に近い。
 空色の瞳はやさしげに細められているが、その奥に、決して吹き消されることのない強い意志が煌々と燃えている。すらりとした長い腕の先には、白くきらめくものがあった。
 剣――柄はなく、刃のみである。それが、義手に取り付けられているのだった。
「……どうやら、あの方にはそのような気はないようですが」
 先程まで汗をかいていた男は、わずかに落ちつきを取り戻したようだった。物憂げに目を伏せ、指で眼鏡をかけ直すと、闇のすみに視線を投げかける。
 そこには、少年がいた。
 赤い瞳が、まばたきのたびに炎のように揺らめく。まだ十四、五というくらいの顔立ちだ。日に焼けた色の顔に、切れ長の目ととがった鼻、形のいい唇がおさまっている。
 闇の中にうずくまっていてなお、少年の身体からは、はかり知れない実力と生得の威厳が惜しみなくあふれ出ていた。
 ふいに少年が、手に握りしめていた紙きれをちらりと見やる――その瞬間、紙は燃えあがり、灰となってあとかたもなく消えた。
「ごらんください。今にも獲物に飛びかからんとする、獣のような目をしていますよ、あの方は」
 眼鏡をずらして、男は熱っぽく微笑んだ。
「貴方が思うほど、あの方は弱くない。ずっとおそばについている、私には分かるのです。見本などという生やさしいままごと遊びに、いずれ<ボンゴレ>の主となられる誇り高きお方が耐えられますでしょうか」
「だからこそ、おまえについてきてもらったんだ。オッタビオ」
 剣帝はやさしく言った。
 オッタビオは、息をついた。あきらめに似た視線で剣帝を見やり、肩をすくめる。
「……貴方には逆らえない。剣の帝王、いと高き丘の、灰色の古城の主。ヴァリアー幾百の兵の王、勇敢なる者よ」
「そろそろ、出よう」
 剣帝は微笑し、言った。
 それを合図にしたように、少年が立ちあがった。オッタビオは忠誠を誓うように頭をたれ、二人の後ろについた。
 <ヴァリアー>。それが、独立暗殺部隊である彼らに冠せられた名だった。
 イタリアのマフィア・大ボンゴレを主とあがめ、誠を尽くす。闇に生きてなお闇より深く、恐怖と絶望をまきちらす、日陰に生きゆく存在――
 ほどなくして、闇の奥から、三つの影が弾丸のように飛びだした。
 黒い外套が風をはらんでふくれあがり、翼のように夜空に広がる。耳ざとい犬が空を見上げてうるさく吠えたてたが、一瞬視界をよぎった影に怖れをなし、後は尻尾をまるめて小屋へ逃げこむだけだった。
 三つの影は家々の屋根を伝いにして、標的のいる場へと跳躍する。
 夜明けははるか遠い。三人の姿は既に空になく、ただ風見鶏がきいきいと音をたてるばかりである……

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うーむ……心をわくわくさせるような文章を書くのは難しい。
オッタビオ氏の登場によって、今まで考えていた設定全部再構成するきっかけをつかみました。
オッタビオ、かなり好きなキャラクターです。テュールとの確執もめごと争い裏切り、あったかどうか分からないですが、捏造設定でばんばん書いてみたいです!

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